プロジェクト報告 / 現地のいま

33台の自転車贈呈式 ~33人が「きっかけ」の自転車を~(後編)

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皆様、お世話になっております。CBB学生副代表の山崎ひかりです。

前編をご覧いただき、ありがとうございます。

 

今回は自転車が与えられる「きっかけ」についてと、贈呈式の全容をお伝えします。

 

贈呈式に辿り着くまでの道のり(去年一昨年の体験・インタビュー・農村ホームステイ・各種イベント)を通じて、自転車というものはあくまで一つの手段でしかありませんが、小さいながらも「きっかけ」を与えられるのではないかと感じています。

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(▲自転車をもらった子どもたち。保護者も参加してくれました。)

例えば、今回のインタビューした子たち。彼らの中には家業をしながら学校に通っている子どもたちも多く、なかには毎日、500m離れた池までの水汲みを歩いて10往復しているという子もいました。そんな子どもたちが自転車を手に入れると…

 

「家事労働の時間が短縮できることで、今までは少なかった友達と遊ぶ時間が増える」

「塾に通う時間ができ、進級テストがスムーズにクリアできる」

「市場まで行けるようになり、行動範囲も広くなる」

ほんの一例ですが、社会とのつながりを強め、自分の選択肢を広げるきっかけになっています。

 

他にも、みんなが持っている自転車を持っていないことや、毎回友人の後ろに乗せてもらうことに対して、劣等感や申し訳なさを感じ、学校から足が遠のいている子どももいました。

そのような子どもが自分の自転車を持つだけで、精神的にもポジティブになれるかもしれません。

 

もしくは、そもそも突然やってきた見ず知らずの外国人からインタビューを受けたり、ホームステイでの共同生活で違う世界の人と交流すること自体が、何らかの刺激になりうるのではないかとも感じます。

 

 

どの面から「きっかけ」を与えられるか、また、小さな変化を自分自身で生み出せるかは子どもたち一人一人異なります。しかし、現に自転車があれば生活に余裕が生まれる子どもたちがいること、自転車でもできることがあることを滞在中は特に強く感じました。

 

「きっかけ」を意識した贈呈式では、CBBの活動紹介とドナーについての話の後に印象的な場面がありました。CBBの大学進学支援を受けているコンティアに、自身の体験談を話してもらっていた時のこと。

近くの村の貧しい家庭出身の彼女が勉強を頑張り、CBBの奨学金支援を受けて現在はプノンペンで大学に通っていることを熱く語った後、彼女が拳を上に掲げ、何か大きな声で言いました。するとそれに合わせ子どもの方からも掛け声が。後々彼女に聞いてみたところ、「貧しさに負けず勉強を頑張っていると昔の自分では想像できなかった楽しいことや勉強ができるから、みんなも頑張ろう!」と言っていたようです。

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(▲大学でもCBBでも頼れる存在のコンティア。

「家族を養いたいから工場で働きたい。」奨学金のテストに受かった後も、コンティアは大学に行くか工場に働きにいくか最後まで悩んでいました。)

外国人の私たちが「頑張って」と言うよりも、同じ村出身のコンティアが「頑張ろう!」と言うことにどれだけ説得力があり、どれだけ子ども達に伝わるかは言わずもがなだと思います。コンティアが自らこのようなことを伝えてくれたことがとても嬉しく、印象深かったです。

その後誓約書を記入してもらい、ついに自転車が子ども達の手元に。親と一緒に自転車を見つめる子、早速乗ってみる子など反応は様々でした。

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(▲誓約書のサインをしている様子。)

 

それぞれがそれぞれのために、有効に使ってくれたらなと思いながら、ようやく子ども達に自転車を贈ることができた嬉しさを感じました。

 

最後になりましたが、改めて「Ready for?」でのご協力、ありがとうございました。

今回は日程上33台の提供となりましたが、今後も提供を続け、100台を子ども達に届けていきます。

今後もCBBへのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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