教育支援の向かう先は~国際協力NGOCBB ENJJ(大使館・NGO・商工会・JICAネットワーク共催)教育分科会に参加して~




こんにちは、CBB現地代表の南郷恵珠です。

去る5月5日、JICAカンボジア事務所にて開催されたENJJ教育分科会に出席してまいりました。

今日はその報告と、参加して思ったことを書いていきます。

 

ENJJとは
Embassy(日本大使館)・NGO・JBAC(商工会)・JICAがオールジャパンとしてカンボジアの発展に貢献するために、ODA・草の根の経験や課題について協議、情報交換を行うことを目的に2004年から開かれてきた会議です。

この会には、JNNC(Japanese NGO Worker’s Network in Cambodia、在カンボジアNGO日本人ネットワーク)に加入しているNGOが参加をしますが、既に会員で現在支援協力をいただいているNPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会との共同発表者として参加させていただきました。

当日はJICA関係者8名、大使館2名、JBAC1名、NGO関係者が私とASACさんを含めて4名の参加でした。

そんなメンバーの中で緊張しつつ、「CBBによる自転車供与事業から見る中学校に通う生徒の現状」と題して純就学率が小学校から中学校にあがると一気に下がることや、その数字のもとになっている4つの大きな要因(経済的要因・精神的要因・文化的要因・距離的要因)の説明、距離的要因にアプローチをしているCBBの「チャリ100」プロジェクトの説明などをさせていただき、CBBとASACがこれまで関わってきた生徒たちの進学・退学ケースをASACさんに詳しくお話していただきました。

プレゼン写真

 

発表・議論から見えたこと
発表後、CBBの活動内容に関する質疑応答をし、発表内で挙げた退学の要因に関する議論もなされました。
これは「親の教育への理解の有無はどこから生まれているのか」という質問が問題提起になり、
「ジンバブエでは、『子に教育を与えない家庭に将来はない』という考えが浸透しているために、いくらお金がなくても親は教育にお金を割く」という話や
「単純に、農業に読み書き計算の知識が不要だからではないか」という意見、
「しかし農村でも、計算ができないことが原因で、それを知っている野菜の仲買人に不当な値段で買いたたかれて痛い目にあったことのある地域の人たちは教育の価値を理解しているかもしれない」という話、そして
「文字の読み書きができない農村の人たちは工場に出稼ぎに行ったとしても、ちょっとした注意書きや仕事内容の書かれた紙が読めないため、現場のチーフが読み上げて教えてあげている」という話が、参加者から次々と出てきました。

発表内の進学・退学エピソードとこの議論をまとめると、親が教育を不要だと考えれば、小学校や中学校に通わせる余裕が経済的にあっても教育をないがしろにしてしまう、裏を返すと、親が教育に価値を見出していれば貧困家庭でも進学の選択をする、ということです。

私はこの分科会があるまで、「親の教育に対する価値観」が児童・生徒の進学・退学の運命を分かつ重要なポイントになっていることを自覚していませんでした。もちろん経済的理由や距離的要因による退学も大きな理由であるため、そこへの金銭的・物質的アプローチも有効だと思います。しかし今挙げた文化的要因(教育への価値観を見出していないこと)そしてもう一つの精神的要因(勉強についていけない子の退学)へのアプローチも必要だと思いました。

ニーズとシーズのジレンマ
ではこの2つへのアプローチはされているかというと、カンボジアに教育支援をしている世界中のNGOや国際機関を見ても、なかなかされていません。確かに、一度備わった価値観は容易に変えることができず効力を持たせるのが難しく、小学校や中学校の勉強についていけず退学する子どもたちを減らすためには、政府や教育機関側へアプローチして授業のコンテンツやありかたを根本から見直していただく必要があるため、それらには数年単位の時間や大きな労力が必要であり、それが各地域の教師に浸透するにはさらに時間がかかります。

現在、いくつかの教員養成校には青年海外協力隊員が入り養成校の教師や生徒に指導をしていますが、隊員が指導した教員がやる気のある教師になったとしても、配属された学校の校長先生やベテランの先生の考えが変わらず、逆に圧力をかけられてしまうという状況もあります。

教育現場の、根の根の部分にどれだけ介入していけるか、また先進国としての価値観を上から押し付けるのではなく理解を得たうえで共有していくこと、それがこれからのNGOや開発援助機関の課題だと思いました。

CBB「チャリ100」高評価!
話を明るいほうに戻しましょう。今回プレゼンの中で「チャリ100」プロジェクトについても簡単に説明させていただき、発表後は質問も受けましたが、そのやり取りの中で、さらには分科会終了後の時間にも、何人もの参加者の方からこの活動を評価するコメントをいただきました。

自分の発表内でも「距離的要因による退学」は取り上げましたが、幸運なことに分科会後半でJICAから「GIS教育関連マップ」についての発表があった時にも、小学校や中学校までの距離が退学率に影響しているということが取り上げられたため、よりプロジェクトの有効性が裏付けられたようです。

CBBにできることは限られていますが、カンボジアの教育が少しでも良い方向に変わっていくようにこれからも努力していきます!

 

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