皆様、いつもお世話になっております。
第6期現地駐在員の石出恵です。
この度CBBでは、学校に通うために親元を離れCBBスクールの住み込みスタッフとして学校に通いながら、CBBスクールで日本語と英語の勉強に励んでいる6人の子どもたちの里親会員の募集致します。
「お母さんに会いたいけど、CBBで英語を勉強する。」
「また学校に行きたかったからまた勉強できてうれしい。」
貧しい子どもたちのために何かしたいけど、実際に現地に行くのは難しい。
募金だけはなく、だれかのためになる国際協力がしたい。
半年に1度住み込みスタッフからの手紙、また現地駐在員より近況報告書をお送りします。
どうか、皆様のご協力よろしくお願い致します。
住み込み制度とは
私たちNGO CBBは2011年の設立以降、一貫して全ての子どもたちが学校に行けるように支援してきました。
学校を建てても学校にいけない子どもたちに自転車を無償・有償支援し、学校に行ってほしい。
そうして始まった自転車支援も、立ち上げ2年目の2012年。支援した子どもたちのうち8名全員が自転車の甲斐なく退学してしまいました。

自転車は「家事」と「勉強」の両立をもたらし、時間に余裕が生まれ、退学の確立を下げることはできます。
実際に、多くの地域で自転車支援を望む声が多く、CBBスクールの近くの小学校にもほぼ100%の子どもたちが自転車で学校に通っています。
しかし、最貧困の、明日食べていくお金がない子どもたちには無力な支援でした。
教育支援は様々な要因が絡まり合う、一筋縄ではいかない支援だったのです。
どうしたら学校にいけない子どもたちが学校に通えるようになるのか。
そこで効果を発揮したのが2014年から試行錯誤を繰り返してきたCBBスクール事業でした。
「住み込み制度」という仕組みを作り、「飯・宿・教育」を無償提供。彼らはCBBスクールで暮らし、朝は公立学校に通い、午後はCBBスクールで日本語と英語を勉強。
日本人や他の住み込みスタッフと一緒に暮らしながら、文字や文法に加え、会話力などの語学力を集中的に特訓。
また、先生やトゥクトゥクドライバー、会計やマネジメントにも挑戦し、プチ職業訓練も行っています。
現在までに、中退者を含めた11名の学生を受け入れ、、今までに3名の学生が復学を果たしました。
「全ての子どもたちに教育へのフリーなアクセスを。」
そう目指して始まったCBB。
5年目を迎えた今年、小学校から大学までの一貫した支援のモデルが完成しつつあります。
2016年10月、住み込みスタッフに新しく3名の学生を迎え、住み込みスタッフ6名でのスタートを切りました。
カンボジアでは、11月より新学期が始まりました。
住み込みスタッフ紹介~1人1人に寄り添い、目に見える支援を目指して~
今回の里親制度では、支援者様1人に対し、被支援者の住み込みスタッフ学生を1名決めさせて戴きます。
これは、CBBとして、支援者の皆様に彼らの成長を見届けていただき、応援して頂きたいと思うからです。
住み込みスタッフとして勉強に励む彼らの成長は、1日や1週間で見られるものではありません。
日本語、英語力はもちろん、日々の積み重ねでは学力は伸び、成果が少し見えるには最低6か月もの時間を要します。
また、通訳ができるほどの語学力レベルを考えると、1年以上の時間を要します。
彼らは、ちょうど思春期を過ごす学生であり、日本語の勉強とは別に公立学校では他教科も学んでいます。
ぜひ、私たちの活動に理解があり、私たちと一緒に彼らの成長に寄り添い、支援をして下さる方にご協力して頂けたらと思います。
① リダ:21歳

今年で高校3年生になるリダは8人兄弟の下から3番目。
CBBの支援地区の中で最も貧困率の高いトロップ地区出身です。
2年前、CBBが自転車支援インタビューの候補者として紹介された彼の家。
いざ行ってみると、山のふもとにある彼の家はお世辞にもきれいとは言えない小さな小屋に暮らしていました。
「高校1年生で退学し、家族のために出稼ぎに行っていたんだけど、持病の腹痛が再発して、家に戻ってきたんだ。」
「勉強がしたい」と話す彼とは対照に、お金がないから働いてほしいというお父さん。
そんなお父さんを何とか説得し、CBBスクールに住み込み、英語と日本語を勉強し、念願の高校への復学を果たした、住み込み制度1期生です。
人一倍シャイで、一言も話さなかったリダも、もうCBBスクールにやってきて早1年6ヵ月。
今では住み込みスタッフ達の最年長として、先生をはじめ、会計やマネジメントの仕事にも挑戦中です。
現在は、持病の腹痛を治すのと同時に、生徒の50%が落ちてしまうという高校卒業試験の合格に向けて勉強をより頑張らなければいけない1年です。
彼の夢は、大学に行って日本語を勉強すること。日本語が勉強できるメコン大学日本語ビジネス学科の進学を目指して、日々勉強に励んでいます。
② キアン:15歳

リダと同じ、トロップ地区の出身です。
自転車支援を行ったお兄さんの弟。お兄さんにインタビューを行ったとき、ずっと無言で水くみをしている彼に出会いました。
小学校6年生で学校を退学してしまった彼。
当時事業に失敗し、2000ドルの借金を抱えた家族の末っ子少年は笑うことさえ忘れてしまったのかと思いました。
学校にもう一度行ってほしいというおばあさんの説得もあり、お母さんの元を離れ、CBBスクールで暮らすことを決意
2016年3月よりCBBスクールで日本語を勉強しています。
最初はお母さんが恋しく、泣いてばかりだった15歳の少年は、誰よりも元気に日本語を勉強しています。
単語のノートと文章のノートは別々。
持前の几帳面さで、日本語の勉強にはなかなかこだわりがあるようです。
習った言葉をすぐに使おうとする姿勢、夜寝る前に必ずノートを読んでいる真面目さは6か月がたった今、確実に日本語力に表れています。
2016年11月、念願だった学校へ復学を果たし、チュンプレイ中学校の1年生になりました。
ただいま成長期真っ盛りのキアン。学校の勉強と、日本語の勉強の両立生活のスタートです。
③ ソッコン:19歳
スクールから自転車で1時間の距離を、暑い日も雨の日も毎日CBBスクールに通っていたソッコン。
スラタパエン出身です。
日本語の勉強を始めてから1年が経ちました。
母子家庭で育ったソッコンはとてもお母さん思い。
3兄弟の長男で、よく家族の話をしてくれます。
そんなソッコンが住み込みスタッフとしてCBBスクールにやってきたのは2016年10月。
「日本人と一緒に住んで、日本語をたくさん勉強して、たくさん会話がしたい。」と、家を離れてCBBスクールで暮らすことを決めました。
11月から高校3年生になります。
リダと同じく高校の卒業試験の合格を目指して学校の勉強をより一層頑張らなければいけない1年です。
ソッコンの夢は「日本語の通訳になること」。
誰よりも真剣に日本語の勉強をし、他の生徒は知らないような文法を使い、わからない単語が出てきたときは即座にメモし、辞書とにらめっこしている時間が多い、本当に頑張り屋さんです。
そして、CBBスクールに来てから苦手な英語の勉強もスタートしました。
夢に向かって一歩ずつ、コツコツ努力を重ねて頑張っていきます。
④ シナ:17歳

今年で中学1年生になります。
とても小柄なシナは、お母さんを早くに亡くし、工場で働くお姉さんと一緒に暮らしていました。
最初に会ったのは私がカンボジアにやってきた4月。
仲良しの友達と一緒にいつも揃ってCBBスクールで日本語を勉強しに来ていましたが、シナだけ少し休みがち。
家でやらなければいけない仕事があったり、病弱な身体が原因でした。
とにかく人見知りなシナは、最初は住み込みスタッフになることを‘怖い‘という理由で断り続けていましたが、2016年10月よりCBB住み込みスタッフの一員になりました。
休み時間もじっと黒板を見つめ、暇な時間もとにかく質問。
最近は英語のABCを覚え、ABCソングを歌えるようになりました。
将来の夢は「日本で働くこと」。
インターン生の家がある東京と名古屋にとにかく興味深々です。
ゆっくりですが、確実に、前に進んでいきます。
⑤ ピセット:15歳
CBBスクール近くの市場・トムノ市場出身の中学3年生。CBBイチのやんちゃ坊主です。
家が近所のソムナンに連れられ、2016年2月に正式に住み込みスタッフの一員となりました。
お母さんを早くに亡くし、おじいさんに育てられたピセットには、お兄さんが3人います。
「I want to study.」と、CBBスクールで勉強を開始。
今では最年長のリダに続いて、住み込み歴も8か月を迎えました。
英語と日本語を両方勉強し、おかしな言葉を覚えてはいつもみんなを笑わせてばかり。
そんなCBBスクールのムードメーカーも中学3年生になりました。
英語と日本語の勉強を続け、さらに語学力を上げていきます。
ピセットの将来の夢は「ビートボクサー」になること。
中学生らしいかわいらしい夢ですが、まずは英語をマスターして、その夢に1歩ずつ近づいていきましょう。
支援の仕方
① サポーター会員(無料)
スタツア参加やインターン参加、国内イベント参加、寄付をして頂いた方などをサポーター会員として登録させて頂いています。
ご希望の方はメルマガに登録頂けると、CBBのイベント情報や最新の現地情報を受け取ることができます。
② 学生ワンコイン会員
毎月500円の寄付でCBBを財政的にサポートして頂ける方を募集しています。
年間分6000円で勉強机椅子を3つ購入することができます。
*振り込みは年間分6000円をまとめて年に1度にお願いしています。
③一般会員(1,000円)
毎月1,000円の寄付でCBBの活動を財政的にサポートして頂ける方を募集しています。
年間分12,000円で住み込みスタッフ学生6人分の1か月分の食費を賄うことができます。
*振り込みは年間分12,000円をまとめて1度にお願いしています。
➃里親会員(10,000円~)
*今回は里親会員が主な募集となります。
毎月10,000円の寄付で、住み込みスタッフが学校に行き、CBBスクールで生活するために必要なお金をサポートして頂ける方を募集しています。
毎月10,000円で彼らが学校に通いながら、CBBスクールで日本語と英語を勉強し、スクールで生活する食費や雑費を賄うことができます。
現地駐在員よりメッセージ
こんにちは。
いつもCBBの活動を応援いただきありがとうございます。
2016年4月より長期駐在員を務めます、法政大学4年の石出恵です。
住み込みスタッフとの生活も6か月が経過しました。
ここでの生活の約90%の時間を彼らと過ごしているので、もはやカンボジアに第2の家族ができたような感覚です。
自転車支援・CBBスクール事業を通して、子どもたちが学校を退学してしまう原因は、貧困や親の教育理解度の低さ、学校教育の不十分さなど様々な要因が因果していることを知りました。
自転車をあげても学校を退学してしまい、CBBスクールに来る子どもたちは月3$の授業料を払うことができ、学校にいけないと困っている子どもたちではない現実。
学校を退学してプノンペンや韓国に出稼ぎに行かなければいけないという子たちを目の前にして、かわいそうだという顔しかできませんでした。
そんな子たちを救いたい!と始まった住み込みスタッフ制度。
復学を果たした3人をはじめ、学校に行けていても留年、退学・復学を繰り返している子、近い将来学校に行かなくなる可能性のある子どもを対象にスタートしました。
日本人と暮らすことで日本語の上達は他の生徒よりも早く、プノンペン遠足や外国人との交流などの多くの機会を与えることができます。
必要だったのはただあげるだけ、提供するだけの支援ではなく、もっと彼ら1人1人に寄り添う支援だったのです。
そしてそれができるのが、NGO CBBとしての役割なんだと最近わかってきました。
彼らは日本の子どもと変わらない、思春期を生きる普通男の子たちです。
勉強よりは遊びが好きで、学校には好きな女の子がいて、まだまだお母さんが恋しくて、大人のお姉さんたちにはすぐちょっかいを出したくなる。
でもそんな彼らにも自分らしく生きていける権利があると思うのです。
CBBの住み込みスタッフ制度が目指すのは農村出身のヒーローを生み出すこと。
彼らがプノンペンで日本で、そして世界で活躍する人間になって、貧困を脱出する。
そしていつか自分の出身の村に帰ってきて、村の子どもたちのお手本に、そして村を創り上げる人間になる。
そうすることで、カンボジアの国の貧困や教育問題は少しずつ良くなっていくと思います。
そのために今いる5人の住み込みスタッフを全力で育て上げていきたいと思います。
皆様のご協力どうぞよろしくお願い致します。