プロジェクト報告 / 現地のいま

【教育マイクロファイナンス】授業料が払えない~両親から子への強い想い~

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こんにちは。CBB現地代表高橋昌祐樹です。

CBBは教育マイクロファイナンスを大学進学希望者に提供しています。その中で唯一短期契約を結んでいた学生からマイクロファイナンスの返済がありました。短期なので利子は殆ど着いていませんが、このマイクロファイナンスで彼が無事大学に入学できたと思うと嬉しいですね。

カンボジア農村では、せっかく高校を卒業しても貧困から抜け出せないことが多々あります。高卒程度のスキルでは語学力・経験共に、すぐプノンペンに出て働くにはとても足りないからです。しかし高校まで出ている生徒たち、その親は教育の価値、力を理解しています。だから息子娘にも大学に行ってほしい。本人たちも可能なら大学に行きたい。そして将来銀行員はじめオフィスワーカーになりたいと考えています。

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今回の学生は「大学の授業料が払えない」という貧困家庭の典型ケースでした。親は彼がプノンペンで住むために既に銀行から多額の借金、彼自身もプノンペンに来てすぐバイトを始めるもまだお金は足りません。農村からプノンペンに出るということは想像以上に大変なことなのです。

僕が他のプロジェクトで農村に滞在していた頃、両親が揃って僕の元に懇願に来ました。二人ともまさに農家の出で立ち。しかし子どもに大学に行かせたい、農村で終わってほしくないという想いがひしひしと伝わってきました。

その後既にプノンペンに住んでいた学生本人とマイクロファイナンス契約。彼の「ありがとう」に僕らNGOの大きな意義を感じました。

これからも、一人でも多くの学生の大学進学を応援出来るよう、一人でも多くの学生が将来自分の道を開けるよう、応援していけたら嬉しく思います。また今回、元本+利子が無事回収でき、マイクロファイナンスを利用した持続可能な教育支援の形を少し垣間見れた気がしました。同時に、もっとファンドをより大きく強固なものにしていかなければと強く感じました。

 

コラム:なぜ短期契約?

彼の両親は農家のため、定期収入がありません。お米の収穫時期のみ現金収入があるのです。それでも彼の家は「売るお米」があるため最貧困層ではありません。多くのコメ農家は十分な土地がなく、家族で食べる分さえ取れない家庭が沢山あります。また自分の土地がないという農家の方も多くいます。十分な稼ぎが得られず貧困から脱せられない→子どもに教育も受けさせられない→貧困から脱する術がない、という負のサイクルが続いてしまっています。

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