カンボジアで本当に必要な支援は何か。
考え続けた結果、たどり着いたのが「自転車支援」という形でした。
自転車があれば学校の行き帰りの時間を短縮することができ、かつ安全に下校することが出来ます。
CBBの原点ともいえる支援です。
CBBの原点「チャリ支援」
なぜ自転車を寄付するのか
カンボジアの農村部には、学校に徒歩で1、2時間かかる地域に住んでいる子どもたちもいます。
自転車などの通学手段をもっていればその時間を短縮することが可能ですが、余裕のない家庭だと実際に子どもたちはその道のりを歩いていかなければなりません。
しかし、子どもたちが成長していけば家業の手伝いが出来るようになるため、それに取られる時間が多くなります。そのため、学校に行くのがおろそかになっていきます。
また、学校からの帰るとき、子どもが一人で薄暗い道を通らなければならないとしたら。どんな危機牽制があるかは容易に想像できます。
自転車があればそういった事件に巻き込まれずに済むのです。
自転車支援を始めて
2011年設立当初、何の知識も繋がりも、資金さえもない僕らをサポートしてくれたのは千葉県とプノンペンに拠点をおく「NPO法人カンボジアに学校を送る会(ASAC)」様でした。
現地の学校サイドや役所などとの交渉や、インタビュー方法さえ知らない僕らを引っ張っていただき、当時、無事5名の小学6年生に自転車を提供。その後1年間に渡ってASAC様が追跡インタビューを実施してくださいました。
2015年、私たちCBBは289名の子どもたちに自転車を支援、インタビュー手法も確立されてきました。
非支援者を募集する方法も先生や役場を介した「紹介制」から村中に告知を出し成績優秀者を優先させる「公募制」、限られた予算で一人でも多くの子どもを支援したいという想いから生まれた「マイクロファイナンス」等、その地域、年度の時期に応じた支援を行うことができるようになってきました。
一番規模の大きなマイクロファイナンス。こちらも現地スタッフが手法に慣れ、日本人が大きく介入せずとも契約書締結まで運べるほどスムーズに、より確実になってきました。これからも地域のレベルに合わせたきめ細やかな支援ができたらと思います。
自転車の効果・意義
子どもが学校に行けるよう自転車を支援する。日系NGOではあまり聞かない支援内容です。
果たしてそこに意義はあるのか。
その一番の説得力のある答えは「自転車支援が今も一番大きな支援であり、毎年拡大している」という事実なのではと思います。
村の人に求められない支援は拡大できません。誰も使わないトイレ、壊れたままの手洗い場や井戸、埃を被った理科の実験器具。将来的には必要になるかもしれません。いや今も必要なのかもしれません。しかし重要性を啓蒙しきれず、誰のだめにもならない支援。「ニーズとマッチしない支援」があまりにも多いのが被支援大国カンボジアの現状なのかもしれません。
数字で見る支援概要
時期 | 支援地域 | 人数 | 対象者 | 支援手法 | 選定基準 |
2011年 8月 |
コンポンチャム州 バティエイ郡 トムノ地区 プロヨック村 トロピアンスノー村 |
5名 | 中学進学を 控えた 小学6年生 |
紹介制 無償 奨学金付き 追跡調査 |
貧困のため 自転車を 買えず、 学校が 遠いこと |
2012年 8月 |
コンポンチャム州 バティエイ郡 トロップ地区 トゥコウ村 |
8名 | 同上 | 同上 | 同上 |
2013年 11月 |
同上 | 5名 | 中学 1~3年生 |
公募制 無償 奨学金付き |
貧困のため 自転車を 買えず、 成績優秀 であること |
2014年 1月 |
コンポンチャム州 バティエイ郡 トムノ地区7村 |
164名 | 希望者 うち9割が 小学生 |
マイクロ ファイナンス |
地域内の 希望者 |
2014年 11月 |
コンポンチャム州 バティエイ郡 チュンプレイ地区 パーブ地区 |
74名 | 同上 | 同上 | 同上 |
2015年 3月 |
コンポンチャム州 バティエイ郡 トロップ地区 |
33名 | 小学6年生 | 紹介制 無償 |
貧困のため 自転車を 買えず、 中学進学の 意思のある者 |
2015年 8月 |
同上 | 0名 | 同上 | 追跡調査 4家庭への 所得向上の ための マイクロ ファイナンス |
前回提供者 33名のうち、 所得の低く、 退学の 可能性の 高い家庭 |