皆様、いつもお世話になっています。CBB学生代表の石出恵です。
23日に開校したCBBスクールには、約300冊の本を収納した本棚があります。
(ASAC浦田様より約300冊の英語とクメール語の本を寄付いただきました。)
これから日本語の絵本も設置する予定です。そして、パソコンを常備し、動画やアニメを使って楽しく勉強できるように工夫します。
「もっとアニメや漫画を見せたい。」
今日はどうして様々な支援団体が図書館を建設しようとするのか、そしてCBBスクールに本棚を設置した理由をご紹介します。
「テレビばかり見ちゃダメ。」
「マンガの読みすぎは頭に悪い。」
日本ではお母さんが言うセリフベスト3には入ると思われるこのセリフ。(笑)私もカンボジアに来るまではそう思っていました。
しかし、カンボジアで働く日本人に話を聞くようになり、日本人がマンガや本やテレビアニメからいかにいろいろなことを教えてもらっていたかということに気付きました。
カンボジアで人気のアニメ。それは2つあります。
まず一つ目は「パワーレンジャー」。英語が話せない子どもでも、この発音は完璧。(笑)
女の子も男の子も、power rangerは大好きなようで、YouTubeを見せると嬉しそうにパワーレンジャーを見ています。
小学校に通っている子どものリュックサックは、男の子はほとんどがパワーレンジャー。
日本でも小さいころに一度は戦隊ものにハマるのと同じで、国は違っても子どもに人気なアニメは変わらないということが分かります。
(CBBスクールに通う子どもたちがよく見ているレンジャーは、明らかにに日本語を話しています ^^)
そして二つ目は「クレヨンしんちゃん」。言葉がわからなくても、しんちゃんのユニークな動きでその面白さは伝わるようです。
クレヨンしんちゃんのマンガのクメール語版が発売され、人気にも火が付いたようです。
「カンボジアでは子どもはしんちゃんとパワーレンジャーが大好きだよ。」とソムナンも話してくれました。
(ソムナンは家にCBBからプレゼントしたクレヨンしんちゃんのマンガを持っています。)
▲8歳の男の子。単語も絵を書いて覚えようとしています。
では、その二つのアニメから何を学んでいるのか。
それは知識ではない、「人間としての在り方」だと思うのです。
例えば、パワーレンジャー。ヒーローは地球の平和のために戦い、恋人を守ろうとします。
私たちはそこから、悪に立ち向かい、大切なものを守ろうとする「正義」を学んでいたのかもしれません。
かっこいいものに憧れ、いつか家族を抱える男の子にはパワーレンジャー的な強さは不可欠。
そして、クレヨンしんちゃん。日本では子どもに見せたくないアニメベスト3に入ると言われているしんちゃん。
でも実は名言がいっぱいあるんです。しんちゃんが言ったり、ママが言ったり、パパが言ったり。。
家族のことを大切にする、とか悪いことをしたら謝る、などの、言葉だけでは理解しづらい大切なモラルを、大好きな主人公が、ストーリーの中で実際にやっていれば、子どもも自然と理解できます。
▲生徒が順調に増え続けるお昼のコース。高校生の子は英語がわかるので日本語の理解も早いです。
アニメは教科書からは学べない、いわば楽しく勉強する一番のツールだと思います。
カンボジアで働く日本人の方もこう話してくれました。
「今の大人の世代の人は教育をちゃんと受けてないから、困っても我慢して頑張ればいつかその頑張りが報われるとか他人に優しくするとかの概念がない人がたまにいる。
ポルポトの時代から、その日その日を生きるのに精いっぱいだったから、そういうしつけも子どもにできてない。
だから、カンボジアはよく労働条件についてのストライキが怒ったり、すぐいやになると仕事や大学を辞める人が多いのかもしれない。
日本にはそういうのがあまりないし、それはきっと小さい頃親に言われたり、マンガやアニメから自然と学んでいたことかもしれないなあって思う。」
「我慢する。」
その概念も、振り返ってみると私も大好きだったバスケ漫画から教えてもらった気がします。
身長が低くても、練習がつらくても、この主人公みたいに頑張ろう!って。
CBBスクールに通う子どもたちが楽しく学べるようにこれからも工夫を忘れずに挑戦していきたいと思います。
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