皆様お世話になっております。
法政大学法学部2年の常岡晴恵です。
私は渡航メンバーより一足先にカンボジア入りして、CBBスクールで2日間教壇に立ちました。ただ語学の知識を詰め込むだけではなく思考力を育てる授業が必要だと話し合われていたため、国内ではその方向で計画を立てました。
英語のちびっ子クラスはうるさいという報告を受け、そのパワーを英語に変えるゲームや歌などの楽しい授業を、日本語クラスではグループワークを用いた学びを意識して準備を進めました。
(▲色カード、お天気カード、じゃんけんカード、単語カード、水計量ゲームのためのコップなど手作りの教材をたくさん持って行きました)
授業開始
日本語クラスではグループで協力して単語カード(わたし、あそぶ、たくさん、いぬ など)を並べ替えて文を作るワークを行いました。面白い文章にみんなで笑い、教室に一体感が生まれました。個人作業の時間もみな集中して新しい文をたくさん作っていました。単語が少なかったので、増やして今後授業に取り入れて欲しいです。
英語クラスは元気がいっぱい! しかし
英語クラスは発音練習など熱心に取り組みます!しかし立ち歩く子や話す子もいて授業を進めるのが大変でした…普段は単語中心の授業だそうですが、今回はまず会話文をホワイトボードに書きペアで練習しました。
そしてカードを持って歩き回り会話をしてじゃんけんをする、勝った人がカードをもらうというゲームを行いました。楽しそうに取り組んでくれて良かったです!しかし会話をせずじゃんけんばかりしてカードをためる子も多く、後だしをして勝ち続ける子も。
まずは道徳から
その姿を見てモラル教育の必要性を感じました。あくまでも想像の範囲ですが、カンボジアでは小学校から生徒の成績の順位が公表されるため子供達は常に競争にさらされています。
そのためか結果を重視する風潮があるのかも知れません。ルールを守り、不正をしない大切さを授業を通して伝えたいです。また、学力調査のためのテストでは解答を教えると自分の答えを消して書き直して提出します。
間違えは決して恥ずかしいことではなく自分を成長させるために必要であると伝えて、のびのびとした学習環境を作りたいです。
(▲単語並び替えワーク中、みんな真剣です。”いぬにく(犬肉)”など面白い発想をしていました。)
日本語の力
カンボジアには私達とは異なる価値観、国民性があります。私達がそれを無視して新たな価値観を押し付けるのは良くないのかもしれないという悩みもあります。
しかし、日本人の経営する塾として他の教育機関とは違う新たな視点を与えることは意義があるはずです。日本語は人を敬う言葉だと言われています。その言葉を通じて、カンボジア特有の価値観を尊重しながら謙虚で誠実な日本の精神を伝えられたらと思います。
自分にできること
今回で2回目のカンボジア滞在となりました。前回はただ現状に圧倒されて日本に帰ってきました。何をしに来たのかと聞かれても現状を見て考えたいとしか答えられず、優しいカンボジア人に助けてもらってばかりでした。
自分に何ができるのか問い続けましたが私の小さな力では、貧しい子が学校に通えない現状も何も変えられないと思っていました。しかしある生徒の言葉を聞いて衝撃を受けます。“一億円もらったら何をしたい?”という質問に対して、“貧しい人を助けたい、でもどうしたら良いかわからない”と答えたそうです。
(▲中高生の英語クラスの授業の様子。他己紹介と会話ゲームをしてもらいました)
カンボジアの未来を担う同世代が現状を変えたいと願いながら方法が思いつかないと言います。もしその子が大学に行けたら知識を得るかもしれない。もし思考力を使うワークを日々行っていたら視野が広がり問題解決能力を身につけて夢を実現させるかもしれない。
CBBスクールで、語学を教えながら他の教育機関にはない思考力を育てる授業を行いたい。教職課程を履修して、様々な教育実践について学んでいる私は授業作りなら協力できるかもしれない。そう思い、今回の渡航を決めました。
実際に教壇に立ってみると、言葉が通じず静かにならない生徒の前で授業を進める苦労を知りました。失敗もたくさんしましたがクラスごとの進度や必要なことが分かり、より具体的に何をすべきか考える助けとなりました。
これからはカンボジアの子供達の選択肢を広げ、より良い環境を自ら作り出すもととなる思考力、人間性を育てる授業づくりを国内や渡航で実現したいと思います。
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2015年10月~2016年3月31日任期@カンボジア王国コンポンチャム州
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