クメール・ルージュ時代、現在のキリングフィールドにある菩提樹「マジックツリー」にはスピーカーが下げられ大音量で革命の歌が流されていました。それは殺される人々の最後の叫びを掻き消すためのものだったそうです。
皆さん初めまして。
国際協力NGO CBB所属 法政大学2年の佐藤圭太です。
この記事の目次
渡航での目標を掲げて
私は今回カンボジア渡航に赴くにあたって、2つ目標を掲げていました。
1つ目は安全に健康に渡航を終えること。2つ目はカンボジアの歴史・文化に触れることです。当然ですが1つ目の安全に健康にというのは達成し現在残りカンボジア滞在期間1日にして、このブログを書いています。
さて、2つ目の目標ですが、これを掲げるに至った理由については昨年度の私のカンボジア渡航まで遡ります。昨年度も私は別団体ではありますが、カンボジアにて夏渡航をしていました。現団体と同じように日本でプロジェクトの準備をし、カンボジアで実施しました。
実際プロジェクト自体は満足いく結果に終わったのですが、私の心の中に1つわだかまりが残りました。それはカンボジアの歴史・文化にあまり触れることができなかったということです。例えば、食文化、歴史・文化遺産など。昨年度の渡航では以上の点にあまり触れられなかったように感じていました。
カンボジアの遺産
冒頭にも書きましたが、今回の渡航で私の脳裏に深く刻まれたのはキリングフィールド等、カンボジアの負の遺産についてです。
クメール・ルージュ時代、ポル・ポト政権は、プノンペン市内のトゥール・スレンなどに収容された多くの人をキリングフィールドに運び大量虐殺を行いました。当時、キリングフィールドを発見した人は大量の死体の腐った匂いに恐怖したそうです。カンボジアにはこのような負の遺産が多く残されています。
それは悲劇を感じるだけの場所ではありません。現在のカンボジアを知るための重要な遺産です。このことを知ることでカンボジアの経済や教育の問題の背景を知ることができます。
しかし、カンボジアにはキリングフィールドのような負の遺産ばかりがあるわけではありません。今回、私はシェムリアップにあるアンコールワットに行ってきました。世界遺産にもなっているアンコールワットはカンボジアの随一の観光地です。写真で見たことのある人は多いでしょうが、実際に見てみると森に囲まれた壮大な景色の中に佇む遺跡に圧倒されました。美しく、荘厳で人を集める建築物であるアンコールワットは間違いなくカンボジアの遺産であり、ランドマークでしょう。
他にもカンボジアならではで日本にないものが数多くあります。例えば、クメール料理です。私は昨年度、多文化の料理にあまり触れることなく渡航を終えてしまいましたが、今年はいろいろなクメール料理を食べようと考えていました。街中に点在している売店や、一緒に生活していたカンボジア人のスタッフやシェアハウスのメンバーが振舞ってくれたりして、多くの場面でクメール料理に触れ、食すことができました。
渡航前まで、自分は辛いものやパクチーが苦手なので、クメール料理に対する印象は正直言ってあまり良いものではありませんでした。しかし、実際に食べてみるとどうでしょうか。激辛と言われるような料理はほとんどありませんでしたし、パクチーも美味しく、毎日食べていても何ら問題に感じません。味を占めた私は、様々な種類の料理に手を出し、最終的には揚げたヘビを食べるまでに至り、カンボジアの食文化を十分に楽しめました。
カンボジアは途上国です。日本と比較してしまい、ショックを受ける点が数多くあり、訪れた人は困惑することもあるでしょう。しかし、折角の渡航で愚痴を漏らしてばかりでは楽しむ余地もありません。農村で目があった人には、笑顔で挨拶する。そうすると笑顔が返ってきました。たとえ言葉が通じなくとも、その程度のことをするだけで幸せを感じられます。
彼らも僕らも同じ人間です。お互いを尊重し、互いの文化を敬うことで良いコミュニケーションがとれ、良い関係が築けると私は考えています。もし、カンボジアを訪れる機会があれば、その際には目が合った人に「チュムリアップ スオ」と挨拶をしてみてください。きっと、笑顔が返ってくるはずです。
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2015年10月~2016年3月31日任期@カンボジア王国コンポンチャム州
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