こんにちは。皆様、いつもお世話になっております。第6期現地駐在員の石出です。
先週はプノンペンで行うシェアハウス事業の改革のため、ほとんどをプノンペンで過ごしました。
もう大人だからと運営を彼らに任せていたら様々な問題が。。
ということで、空気を一新するために約4時間かけて大掃除を行いました!
水ぶきをするのは中学生以来でしたが、掃除が終わると、住人たちが部屋から続々と出てきました。
「Thank you.(ありがとう。)」「I will cook for you.(今日は私がごはんをつくるね。)」「Do you want to drink a beer?(ビール飲みたい?)」と態度が一変(笑)
やっぱりきれいな空間は気持ちもきれいにしてくれるんだと実感しました。
さて、本日は「クメール語を習得したら世界が変わった」ということで、現地語習得のメリットを私の完全実話からお伝えします。
ちょうど今日で滞在7ヶ月目を迎えた私は、今回が6度目のカンボジアでう。そんなにカンボジアに来てて、5回目までと何が違うのかと言われたら、一番はやっぱりクメール語力でしょう。
クメール語力といっても、クメール語を勉強しに来たわけではないので、もちろんくねくね文字のクメール語が書けるわけでも読めるわけでもありませんが、日常会話程度のクメール語のスピーキング力・リスニング力は手に入れたつもりです。
語学力不問は嘘!?話せないと生きていけなかった。
私がカンボジアにやっていた4月。今では憎たらしい住み込みスタッフたちも、わんぱくな生徒たちも日本語の勉強を始めてまだ1カ月も満たないくらい。「こんにちは。」の挨拶にしか、まともに返してくれませんでした。
7人のカンボジア人と1人の日本人で始まった新生活。
比率が比率なので、いくらソムナンやワンダが日本語話せるといっても、私との会話以外はすべてクメール語。ミーティングもオールクメール語で行われ、通訳を頼んでも「わすれました。わかりません。」と、1時間のミーティング分も一言の通訳で終わることもありました。
(もう通訳がいなくても!それでも、日本語だけでの進行を目指しています。)
マネージャーがソムナンである以上、日本人である私は日本語を教えることしかできることはないのかな。。
日本語や英語で会話をするのをめんどくさそうにするソムナンの態度にイライラしながら、村にいる英語のできるカンボジア人にたまに英語で相談をしながら、何が一番自分に足りない力なのかを考えていました。
「彼らの話を聞きたくて、話がしたいなら、私がクメール語を話せるようになればいい!」
そう思ったのは、4月に終わり。
彼らと一緒に学ぶ!待っていたのは農村留学。
そうして始まったクメール語の勉強の日々。机での勉強は私には効果的ではないと思ったので、途中でくじけてしまいそうな文字はあきらめ、必死にスピーキング力をあげようと思いました。
①彼らと一緒に勉強する。
まずは、すべての授業に参加しました。その方が生徒とも仲良くなり、住み込みスタッフとの距離も縮まると思ったからです。
自分は先生のときは、教える文や単語の意味のクメール語をあらかじめ予習。
自分が先生のときは、出てくる単語や文のクメール語を覚えました。
同じ単語を勉強することで、生徒や住み込みスタッフたちと同じ単語がわかるということなので、一問一答クイズや会話も少しずつできるようになっていきました。
(1か月でクメール語をモノにしためぐみさん。最強です。。)
②必要なものだけ覚える。
夜は、当時私のクメール語の先生だったワンダと一緒にクメール語を勉強。私は英語を教えて、ワンダはクメール語を教えてくれました。
文字が読めない私のために、発音をアルファベット表にしてもらい、私がその1日で覚えた方がいいと思った10つの単語を聞き、生活に必要性の高い単語を優先的に覚えていきました。
③覚えたら使う。周りはネイティブだらけ。
授業に出て、必要な単語を書き出して、残りは実戦練習のみ。ひたすら使ってスピーキング力をあげ、ひたすら会話の中からわかる単語に反応してリスニング力をつけていきます。
CBBのミーティングや、ソムナンと一緒に教会に通い、わかる単語をメモに書き出していく。時には1時間もいて、「クロサー(家族)」の1単語しかわからなかったときもありましたが、1ヵ月たった頃クメール語の会話がわかるようになってきました。
クメール語を習得して見えてきた世界
クメール語を勉強したらこんないいことがありました。
①英語を話せない人たちともコミュニケーションが取れるようになった。
国際協力の世界では、英語を話せる人が通訳になり、私たちとカンボジア人(いわゆる支援される人)をつなぐ人になります。しかし、通訳を通してしか彼らと会話ができなかったり、仕事中しかコミュニケーションが取れないのは、私たちとカンボジア人の距離が近いとは言えないでしょう。
そんな彼らと気さくな話もできるようになりました。
②近所の人たちも活動を応援してくれるようになった。
NGOのCBBとしては、生徒たちはもちろん、生徒の親や近所の人、すべてのカンボジア人に活動を知ってもらい、応援してもらう必要があり、そうした方が活動もしやすいです。
(現地スタッフ宅に併設されているCBBスクール。どこよりも温かい、また戻ってきたくなる場所です。)
以前はいつも「日本人だ~」くらいの歓迎でしたが、クメール語を話せるようになってから「チェッ クマエ~(クメール語できるね~)」とカンボジア人が笑顔に。現地スタッフからも評判がいいとお褒めの言葉を頂きました。
③授業が教えやすい。
CBBスクールで働いている私は、英語や日本語をクメール語しか話せない彼らに教えなければいけません。
日本語の授業は日本語だけ!が理想ですが、小さな子どもたちには通用しません。
教室で使う単語やその日に習う単語程度を知っていると、生徒たちも先生に言葉が通じない恐怖を持たなくなります。
クメール語を覚えて1番よかったことは「カンボジア人との距離がぐっと近づいた」ということです。
いつも気になっていた会話も、意外とどうでもいいことだったり、カンボジア人は噂ばかり話しているんだな。
日本だったらいくら?お母さんは何歳?これは日本にある?など、たくさん質問をしてくる村の人々。
「日本人はクメール語を勉強してくれて、カンボジアのことが好きなんだと思ってうれしい。」と村の皆さんは思ってくれているようです。
私は長期滞在の方はもちろん、短期滞在の方にも現地語の習得をおすすめします。
現地の方との交流の旅の醍醐味だと思うので、ぜひ現地語を覚え交流し、温かさに触れてみてください。