こんにちは。CBB法政大学国際政治学科1年金坂です。
今回は、初等教育プログラムの全体の概要と反省について、記事を書きます。
カンボジアでは、小学校においてドロップアウトしてしまう子が多くいます。その原因のうち私達が特に焦点を当てた問題点は、教師が成績の良い子に合わせて授業をし、成績の悪い子のフォローを十分に行っていないために彼らは進級することが出来なくなり、ドロップアウトしてしまうということです。
裕福な家庭の子は、学校のほかにエクストラクラス、日本でいう塾のようなものに通って勉強することができますが、お金に余裕の無い子はエクストラクラスに通うことすら出来ません。このような状況の下、私達はカンボジアの大学生や現地コーディネーターの力を借り、夏にお金に余裕の無い家庭の子も通えるくらいの安い価格でエクストラクラスを開校することを考えました。今回の春渡航ではその事前調査として、実際に二日間のエクストラクラスを開講しました。
私達が考えたエクストラクラスは、二日間のスケジュールで一日目は数学のテストと授業・社会・理科、二日目は一日目の数学の復習・体育を行いました。二日間を午前午後に分け、午前は小学校5年生、午後は6年生を対象にし、先生の協力を得て同じ学生に来てもらうことができました。二日間同じ学生にきてもらった目的は、カンボジアには自習の概念が無いので、宿題を出して家庭学習してもらうためです。
算数の授業
テストと授業に分けて行いました。テストを作成する際、カンボジアの小学生のレベルが分からないにもかかわらず、日本国内でのリサーチや現地駐在員とのコンタクト不足のためにカンボジアに付いてからの準備はとても慌ただしいもとなってしまいました。彼らに夜遅くまで台本やプリントの日本語部分をクメール語に訳してもらったり、現地の大学生にアドバイスをもらいながら、私達のプリントはようやく完成することができました。
いざ、授業を行ったときに、カンボジアの小学生のレベルには正直驚きました。日本の小学5・6年生なら出来ない子はいないといっても過言ではないような割り算掛け算の問題を解ける子は、たった3人ほどしかいなかったのです。1日目のテストが終わって、大学生の解説を受けた後の2日目のテストは皆理解してくれて、私達が数学の授業を開いたことの意義を感じることができました。
社会の授業
私達は新たな世界、自分が今まで全く知らなかった世界をみることで勉強する意欲が沸くという仮定の下、メンバーが行ったことのある日本・イギリス・アメリカを紹介しました。しかし、生徒達はすこし眠そうで、私にはあまり興味が無さそうに思えました。私達が用意したプリントが、印刷機の不調のためにカラーが鮮明でなかったのも一つの原因だと思われますが、何よりも生徒達は全く外国に対して知識が無いために想像が付かなかったように思われます。
これはあくまでも私の見解なので、生徒達の感想をアンケート形式で聞いてみるべきでした。また、最初はプロジェクターを使った映像授業を計画していましたが、準備不足のためにできなくなってしまいました。映像授業をしたほうが、より生徒達に強いインパクトを与えられたかもしれません。
理科の授業
べっこう飴を作る実験を計画していたのですが、社会の授業が延長してしまったために、ただ生徒達にプレゼントしただけで終わってしまいました。社会の授業の時間配分のミスにより、一緒にべっこう飴が作れなかったことはとても残念でしたが、生徒達は美味しそうに食べてくれて、中には食べないで大切に家に持って帰ってくれた生徒もいました。私達が作ったべっこう飴一つで、こんなにも笑顔を見せて喜んでくれるとは思いもしませんでした。
体育の授業
日本で有名な曲であるAKB48の恋するフォーチュンクッキーを一緒に踊りました。3つのグループに分かれて踊ったため、生徒との距離も近く、生徒ではない村の子ども達も参加してくれました。他の授業は、私達はクメール語が話せないために直接的には教えられなかったのですが、ダンスは言葉の壁を越えて一緒に盛り上がることが出来ました。
初めての途上国で初めての初等教育プログラムとしての教育支援だったのですが、私達がこのプロジェクトを成功できたのは、やはり現地コーディネーターとオフィスの大学生の協力、子ども達の笑顔のおかげだったと思います。農村で非日常的な生活を送り、精神的にも肉体的にも疲れきってしまったときもありましたが、カンボジアの人たちは子どもも大人も皆がとても明るく、村中の人々がお互い友達でいつもじゃれあい笑っているので、いつのまにか私自身も疲れを忘れ笑顔になっていました。
私たちは支援をしに来ましたが、カンボジアの人たちの方がなんだが幸せそうで、私たち自身も学ぶことがたくさんありました。カンボジアの人たちの個性を失うことのないように、その上で今回感じた学力や知識の差、特に貧富の差により生まれてしまうものを解決すべく、春渡航での経験を土台に夏渡航に向けリサーチを続けていきたいです。
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