みなさんこんにちは。
国際協力NGO CBB所属 法政大学3年の坂橋玖美です。
今回、はじめてカンボジア夏渡航に参加しました。2011年、5台からスタートしたCBBの自転車支援。2015年春渡航では、マイクロファイナンスのおかげで、33名に自転車を提供することができました。
今回の夏渡航で33名の子どもたちがどのように自転車を使い、どのような発見があったのか。提供するだけの関係でなく、その後の様子も把握して、家庭をサポートすることにつなげていく。そして、最終的には、ドロップアウトせずに中学校、高校、大学へと進学できるサイクルをつくりたいと思い、今回この追跡インタビューと追加支援のプロジェクトを実施しようと決めました。
チャリ支援者への追加支援へ
渡航前は、子ども用と親用のインタビュー内容を作成、追加支援の候補を考えました。インタビュー内容の作成は、いかに相手の本音を聞き出せるのか、考えれば考えるほど難しいと感じました。
追加支援候補は、家庭で野菜や果物を育てそれを市場に売りにいくと収入になります。家畜を飼うことももちろん収入源になります。私たちは、どこまで家庭を支援できるのか、考えさせられました。
そして、不安に思いながらも今回、6名の学生に追跡インタビューと追加支援を行いました。
6名全員の自転車をチェックしたところ、念入りに使っている様子でとても嬉しく思いました。そして、6名個々の背景を持ち、たった1台の自転車が彼らになにを与えたのか。インタビューを通じて、多くのことを吸収することができました。
(▲Keaの家庭訪問にて)
小学6年生のKeaという少年の話を少しさせてください。
Keaは、CBBが自転車提供をする前、両親の仕事の手伝いをするため、月に15日間学校に行けずにいました。1か月の半分も休んでいると、学力の差はどんどん広がっていきます。そして、学校の授業についていけなくなって小学校でドロップアウト寸前。
そのような状況をCBBが、春渡航で自転車提供したことにより、Keaは中学校に行くことが可能になったと言っていました。自転車が通学時間を短縮し、家庭の手伝いと勉強を両立することができるようになったのです。
2015年3月の前回渡航では、彼は教師になりたいと言っていました。小学生に何になりたいかと聞くと、ほとんどが教師か農家と答えます。彼らにとって、教師や農家が一番近い存在であるからでしょうか。
今回の夏渡航で、何になりたいか、と改めて聞いてみると、Keaは医者になりたい。と言っていました。その理由は、医者は、多くの人を救うことができ、家族を支えることができるから・・・と。日本の私立大学の授業料は、年間約100万円、医科大学ならざっとその10倍の約1000万円。
それに比べて、カンボジアの私立大学の授業料は、年間約6万円と言われています。私たち日本人にとっては、大学の授業料が6万円と聞くと、安いと感じてしまいますが、カンボジアの人々にとっては、その6万円を稼ぐのに大変な苦労と労力、そしてお金を必要とします。
夢よりお金、学校より仕事
それぞれ夢を持っていても、借金があるから大学は行かせられないとか、家の手伝いをしてほしいから学校に行ってほしくないなど、子どもが学校に行かないことが家族を救う。そんなふうに思ってしまいました。
Keaのインタビューの際、両親は出稼ぎに行っており、直接両親とお話することはできませんでしたが、おばさんと話すことができ、自転車のおかげで市場まで買い物に行けるようになり、行動の幅が広がったと言っていました。
行動の幅が広がると、視野も広がります。Keaは、市場に出て多くの人と出会うことができたのでしょう。人が人に与える影響は大きく、教師になりたいという夢から医者になりたいという夢に変わったのも彼の成長であると感じています。
追加支援ではおばさんとKeaの要望により、鶏3羽と野菜の種を提供することを約束し、Keaには英語の教科書、ノート、ペンを渡しました。そのときに見せたKeaの笑顔はとても印象的でした。子どもたちの素敵な笑顔をもらい、今回の追加支援プロジェクトを無事終了することができました。
(▲支援地区の学校の先生の家で追加支援授与式を行いました)
今回このプロジェクトの実施において、CBBメンバー、国内メンバー、CBBスタッフのコンティア、スレイリャ、村の校長先生や先生、CBBインターンの小澤さん、宮崎さんなど多くの方々に協力してもらいました。感謝しています。ありがとうございました。
今後とも国際協力NGO CBBを宜しくお願い致します。
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