前回の記事では如何に僕らの推測が甘かったかを書き綴りました。今回は、では果たして僕らCBBはそこから何を学んだのかのリアルを記録していきたいと思います。データと言えるほど体裁が整っていないので記事形式でシェアします。
農家への運搬手段の提供により所得の向上を最初は考えました。しかし自給自足という現実に裏切られ、用意したインタビューシートは使い物になりませんでした。しかしその中でもその場で出てきた疑問をどんどんぶつけていきました。
~富裕層へのインタビュー~
貧困層にいくら同じ質問をしても返ってくる答えは同じようなものばかり。では同じ村内の富裕層の話を聞いてみようとなりました。
Q. まずなぜ金があるか
A. 親からの相続。
Q. 仕事は何か
A.
大きな土地を買い農業
高金利マイクロファイナンス
マイクロファインナス…?聞いてみると農村の貧困層は担保がないため銀行からお金を借りられない。そこで彼女が銀行からお金を借り、銀行よりも少し高い金利で村人にお金を貸している。
Q. マイクロファイナンス返済率はどうか
A. どこの銀行・NGOが実施しても課題の返済率。彼女のとこでは「殆ど」返してもらっている。対象者が全員顔見知り、村内ゆえのパワー関係が大きな理由だそう。
彼女は親からの相続で資本金がありあらゆるビジネスを始めていたが、ここは少額融資によってCBBが解決できる問題だ。彼女は稼げているが寝る暇もないほど忙しいとか。
Q. 1日の稼ぎはいくらほどか
A. トータル1日当たり$100。そのうち利益は$25×30日=$750。
彼女の家は電気さえない農村なのにプノンペンの高給取りよりも稼いでいた。貧しい人には時間があるが仕事がない。では何をするか。「寝る・ギャンブル・飲酒・Sex」。金持ちは金・仕事はあるが時間がない。ここで農作業の雇用関係も生まれる。マイクロファイナンスまで生まれる。貧しい人はどんどん貧しく、豊かな者はどんどん豊かに。今カンボジアで広がる格差の現実だ。
しかし驚きの事実がある。
何もない農村で年$750も稼ぐ彼女、小学3年生で退学・ドロップアウトしていた。彼女の仕事は農業・自転車バイク修理・・商店・精米・金貸し。確かに教育、教養なんて必要ないのかもしれない。村で一番稼いでいる人が教育をまともに受けていない。しかも権力まである。教育支援を軸にしているCBBには耳が痛い現実だった。しかし教育が人間の可能性を最大限に引き出すと信じて教育支援は貫いていきたい。
※余談
カンボジアでの一般的な1毛作での米の収穫時期。
田植え…4月後半~5月前半
稲の苗を育てる…5月後半~7月末
稲を水田に植え替える…8月
ひたすら待つ…8月~11月半ば
収穫…11月後半~12月末
乾季が11~4月、雨季が5月~10月なので雨季の間に稲作、乾季はタイやプノンペンに出稼ぎというのをよく聞く。しかし灌漑設備がある地域だと2毛作、3毛作ができるようになってきている。ちなみにCBB支援地内のKOICAによる灌漑施設は水門に40万円、水路に70万円かかったそう。
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