あの生徒はいま / 顔の見える支援

国際協力の現場で学んだこと~信頼関係構築に5年は長いのか~

投稿日:2017年9月12日 更新日:

こんにちは。皆様、いつもお世話になっております。元駐在員の石出恵です。

昨年インターンの任期を終え、カンボジアに帰ってきたのは約8か月ぶりです。

CBBスクールの予想以上の変化に驚きを隠せませんが、生徒との再会は今まで以上に嬉しいものがありました。

(おかま!ばか!と言いながら市場を猛ダッシュするカービンくん。少しずつ日本語思い出したかな?)

さて、本日は私が8か月ぶりにカンボジアに戻ってきて、ふと考えた国際協力の現場で考えた「信頼関係構築」についてブログを書きたいと思います。

約5年間の中で見えてきたものとは。

これは私が大学生として活動してきた期間です。(休学したので+1年間ですが。)

つまり、CBBのメンバーとして活動してきた期間でもあり、カンボジアに足を運んでいた期間でもあります。

この5年間の活動で何を残せたかと言われれば、●●が就職した!とか○○の日本語力が上がった!とか決して私のCBBでの活動のおかげだ!と胸を張って言えるのかはわからないものばかりな気がします。

そういう面では5年間、教育支援において効果測定の面では本当にもがいてきました。

でも、今回の8か月ぶりのカンボジア渡航を終え、私が5年間同じ支援地に通い続けた効果がうっすらと見えた気がしました。

(メコン大学卒業間近のコンティア家族。10人家族。)

それが【信頼関係の構築】でした。

朝ごはんを買いに市場まで約10分自転車をこぐと、絶え間なしに「Hello!Kei!How are you?」という子どもたちの声が聞こえてきます。

市場をうろうろしていると、クイティユやさんのおばさんや修理やのおじさん、生徒のお母さんたちが「何しに来たの?」「今度、うちの家に来なさい!」「いつ日本に帰るんだっけ?」と買ってくるものを忘れてしまうほど、質問攻めに遭います。

バイクに乗って支援地を回っていると、「けい!きれいになったね!」「大きくなったね!」と5年前に私に会ったというカンボジア人が声をかけてくれます。

5年前は微笑んでもくれなかったのに。(笑)

私はカンボジアに来る前、「私がやりたいことは誰かを助けること!」と意気込んでいましたが、誰かを支援するということは誰かの人生をちょっと変えてしまうこと。人の人生に少なからず影響を与えること。

信頼関係のない見ず知らずの大学生がポンっときてできるものではありませんでした。

誰かに寄り添っていくということ

5年間。

初めて日本語を教えた生徒が、今年高校を卒業し、11月から大学生になります。

初めてインタビューした生徒の家が、占い師として成功し、お金持ちになりました。

大学を辞めて韓国に出稼ぎにいった友達が2年間の任期を終え、帰ってきました。

シェアハウスの住人が一足先に大学を卒業し、就職していました。

初めて選抜試験を担当した奨学金生が大学を卒業する年になりました。

「こんにちは」にも返答してくれなかった住み込みスタッフが、新しいインターン生に自分から自己紹介していました。

英語が苦手で会話ができなかった現地スタッフと、一緒に働けるようになりました。

(チーム・トムノップ。遊びに連れてってくれてありがとう!)

「現地の人に寄り添っていきたい。」

私はそう思い活動を続けてきましたが、関わった人の変化や成長を見てきた5年間は、現地の人に寄り添うことが少なからずできていたのかと思います。

他にも困っている人はたくさんいる。

そう考え、別の団体や他の国に行くことを考えた時期もありましたが、CBBとして、この地域に通い続けたからこそわかったものもあると思います。

「信頼関係構築に○○年かかりました。」

「パートナー探しに○○年かかりました。」

外で聞いていると「そんなことにそんな時間をかけるの?」と思ってしまいがちですが、実は一番大事なものだったのが信頼関係の構築でした。

これからも現地の人、現地人パートナーにも寄り添う姿勢を大切にしていきたいと思います。

 

 

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