皆様、いつもお世話になっております。第6期現地駐在員の石出恵です。
昨日は、地獄と天国を味わった日でした。一時だって落ち着かせてくれない日々スリル満天のカンボジアライフ。そんな現地駐在員の恐怖体験をご報告します。
事件発生は突然に。。
2016年10月8日(土)午後4時のプノンペン市内。
CBBスクールがあるコンポンチャム州から農村授業を終え、休日を過ごすプノンペンに帰ってきた日本人大学生4人組。
男の子2人は買い出しのためイオンモールへ。私ともう一人のインターン生はカンボジアではお馴染みバイクタクシー(以下モトドップ)に飛び乗り、CBBシェアハウスのあるプサー・ヘンリーへ向かいました。
(土曜日は住み込み勉強に加え、新しく始めた農村出張授業へ。)
いつもの通り、プサー・ヘンリーにつき、ちょうどぴったりのお金がなくて財布をゴソゴソ。15000リエル(日本円で約350円)を払い終え、「プノンペンだー!」とお気に入りのジュースを買いに、いつもの店へ。
日本語を勉強している大学生と談笑しながらジュースを堪能していた私は、ある重大なことに気づいていなかったのです。
「あれ。。?私のバッグは?あれ。。?」
午後4時半。プサー・ヘンリーの道端で。
私はようやくモトドップに自分のバッグを置いたまま降りてしまったことに気づいたのです。
パソコン2台、化粧ポーチ、充電器、今までせっせと書いていたメモ帳などの入ったバッグを失ったことに。
とりあえず、現地スタッフに状況を説明しようと電話をかける。
が、現地スタッフは電話には出ず、私はこの危機的状況を一人で解決しなければいけないことに。。
真実はいつもひ、ひとつ・・・!!
呆然と立ち尽くしていた私。パソコン2台の損失は、大学生で無給で1年間インターンしている私にとってはダメージが大きすぎました。
(なくしかけたバッグ。やはり、リュックが一番安心なのかなと。)
「今日だめだったら諦めるから。」
そう自分に言い聞かせ、顔見知りのモトドップに飛び乗り、とりあえず犯人探しのため、モトドップが集まっている場所へ。(コンポンチャムからの車を降りた場所へ戻りました。)
午後5時。「私のこと覚えてない!?」
モトドップが集まる場所に着いた私は、5か月間で覚えた乏しいクメール語で必死に状況を説明。そこには20人ほどのモトドップ集団が。
「1時間前に日本人4人が車から降りてきてね、2人はイオンモールに、そして私と女の子が2人でプサー:ヘンリーに行ったの。15000リエルで。でもね、私はそのモトドップに大事な白いバッグを忘れちゃったの!とても大事なの!誰かどのモトドップか覚えてない!??」
午後5時半。「オッ ダン!(わかんない。)」祭りがスタート。
途中から私のことまで見たことがないと言い出すモトドップたち。
しかし、泣きそうになる私に大きな救世主が。それが、男の子2人をイオンモールに連れて行ったモトドップでした。
「覚えてるよ~!やあ、日本人なんでしょ!僕らが手伝うよ!」
そう言いながら私と一緒に犯人捜しがスタートしました。
見つかるまで帰らないから。
「私を乗せたモトドップの電話番号を教えて!!」
時刻はもう午後6時。あたりが暗くなり、雨が降り、さすがに私のしつこさに負けたのか、一番偉そうなモトドップが出してきた1枚の紙には、そこに集まるモトドップやトゥクトゥクドライバーの名前や性別らしきもの、そしてクメール語がわからない私にも分かったのは、そのリストに全員分の電話番号が載っていることでした。
「ありがとう!これで、全員に電話したい!」
リストには約40人ほどの名前と電話番号がズラリ。全部に電話をかけようという私に、最初は「明日まで待て。明日来るから。」と話していたモトドップ達がだんだん協力ムードに。
2人1組で1つずつに電話をかけてくれました。すると、きっと彼らは犯人がわかっていたのでしょう。2件目ですぐヒット!
「けい!あったぞ!バッグそのままだから、大丈夫だ!!はっはっはー!」
捜索開始から約2時間。やっと私は犯人の手がかりを見つけ出すことができたのです。
そして、協力してくれたモトドップを引き連れ、犯人との待ち合わせ場所へ。
「1回家に帰ったが、このためにやってきた。私の家はとても遠いんだ。パスポートが入っていると言っていたが、そんなもの入ってなかったぞ!」と、私がとっさについたパスポートが入っているから大変だ!という嘘を見破り、しっかり中身を確認していたという証拠を置いて帰っていきました。
いわれた通り、全部の中身をその場で出し確認。盗まれたもの、0。
何はともあれ事件は解決。
治安が悪いといわれるカンボジア・プノンペンで、パソコン2台を取り戻すことに成功したのでした。
帰りは真っ暗な帰り道。
協力してくれたモトドップたちに10ドルのお礼を払い(ガソリン代として請求された額。思ったより安くて良かったー)、お前は本当にラッキーだ、今度は気を付けろと少しのお説教を受け、みんなに見送られながら帰りました。
今回の事件で学んだこと。
それはもちろん、大事な荷物は肌身離さず身につけていること。
短期旅行者はスリやひったくりに遭いやすいといい、在住者は危ないことをわかっているから安心だと言いますが、私のような1年未満の中期滞在者ほど、慣れてくると不注意が原因でこんなことが起きてしまうんだと慣れの怖さを実感。
初心の心を忘れず、身を引き締めて生活しなければと思いました。
しかし、この1件で気づいたこと。それは、この解決方法はCBBでインターンしていたからこその成果なのかと思うのです。
基本カンボジア人は面倒くさがり。
「明日になったら犯人は来るよ!」「日本人なんて今日は来てないよ!」「電話番号なんてないよ!」「全部に電話するなんて無理だよ!」
言っていることは、いつも一緒に働いているカンボジア人スタッフと全然変わりません。
でも、そこであきらめず、1つ1つ地味な作業をこなしていく。私は細かな確認を怠らない。
まさに、大学進学プロジェクトで生徒120人に電話をかけたときと状況は一緒だったのです。
リストを用意し、電話を用意し、電話のカードを用意し、1人1人かけた生徒がどうだったのか確認していく。短い答えの場合は、こちらが細かく質問をして聞く。
CBBでの経験があったからこそ、解決したんではないかと、一夜明けて落ち着いてホッとしています。
カンボジアにお越しの皆さん。
私はたまたまラッキーでしたが、本当に気を付けてくださいね!
協力してくれたモトドップの皆さん、ありがとうございました。