みなさんこんにちは。
いつもお世話になっております現地インターンの酒井です。
10月31日、日本はどのような様子だったでしょうか。
10月30日、CBBスクールでもハロウィンパーティーを行いました。
トリック ヴォア チート?!?
「Trick Or Treat」がうまく発音できず、 「トリック ヴォア チート」と話してしまう子供たち。
もともとアメリカ発祥のイベントであるハロウィンは、日本でも近年になって知れ渡り始めたように、カンボジアでもそこまで知名度は高くありません。
当虚の渋谷に、仮装した若者が集まるのと同じように、首都でプノンペンのクラブでは若者たちがハロウィンを楽しむようです。
しかしCBBスクールがある農村に来てみると、「ハロウィン」という言葉を知っている子どもはほぼゼロ。
そんな子どもたちにも楽しんでもらえるよう、お菓子とゲーム、おばけ変装グッズを用意して、小規模のパーティーを行いました。
今回のハロウィンパーティーはスタンプラリー方式。
おばけメイクコーナー、おりがみコーナー、クイズコーナーの三つのブースを設け、子供がそれを一つずつ回り、課題をクリアするとお菓子とスタンプをもらっていきます。
そしてスタンプを三つ集め終わると、ハロウィンスペシャル・カンボジアカレーを最後にもらえるというものでした。
(ミルクが隠し味のクメールカレー。予算で前日に大議論しましたが、とってもおいしかったです。)
CBBにおばけ大量発生?!
本来ならばハロウィンといえば「仮装」ですが、費用的な面で全員分の仮装用衣装を用意するのは難しかったので、おばけメイクをすることで、子供たちに仮装気分を味わってもらいました。
現地スタッフのスレイリャとCBBスクール開校当時からの生徒のチャナがメイクを担当し、ぞぞっとするおばけ、くすっと笑ってしまうおもしろおばけまで、CBBに大量のかわいいおばけが発生しました。
しかし中にはおばけメイクを本気で怖がる子もちらほらいました。
住み込みスタッフのへん(17歳男の子)は、3日前ごろから「もしわたしクマオイ(おばけ)になります、わたし家帰ります。」といって、本気で怖がっていました。
日本の高校生男子は「おばけ?へっ!だっせぇ!」って感じですが、こちらの子どもたちはある程度の年になっても本気でおばけを怖がるようで、その様子がとてもかわいらしかったです。
カンボジアってどこにあるの? 世界はどのくらいの大きさなの?
世界地図を見せても、自分の国や日本がどこにあるのか、どのくらいの大きさなのか、何もわからない子供たち。
楽しいハロウィンパーティーの中にも、一つでも学びがあるといいなと考え、クイズ形式でカンボジアと日本の地理的関係、また国の大きさを彼らに学んでもらいました。
世界地図を目の前にして興味深そうに見つめる子供たち。
「カンボジアってこんな形なんだね」
「日本は小さい国なのに、お金持ちだし頭がいいよね」
「ぼくはいつか日本に行きたいんだ。日本に行くのは何時間かかるの?」
という声や質問が聞こえてきました。
日本は経済的な豊かさや生活環境から、海外という選択肢が頭の中に簡単に出てきます。
旅行に行きたいな。熱海に行こうか?北海道に行こうか?いや、今年は海外に行こう!
英語を使って海外で働きたいな。アメリカがいいかな。イギリスがいいかな。
日本は毎日子供のころからテレビを見て、電波を通じて海外の様子や雰囲気をなんとなく理解し、興味を持ち、じっざいに自分の目で見てみたいと思い、海外へ行こうとします。
日本人は何を着るか迷うだけの服があり、、おいしいものの中から食べたいものを選択することができ、祝日にどこに遊びに行こうかわくわくしながら考えることができます。
しかしCBBスクールに通う子供たちはどうでしょうか。
彼らの頭の中には、海外というものは存在しないに等しいように感じます。
毎日が学校と家の往復。そして家事や仕事の手伝い。友達と遊ぶこと。 土日は遠出することなく、近所の子どもたちみんなで魚釣り。
選択肢の幅が日本の子どもに比べ、圧倒的に狭いように感じます。
またテレビがないことが、大きな要因だと思います。
海外という概念があまり彼らの頭の中にはないのではないでしょうか。
今回のクイズ形式による世界地理の学習など、小さなことから少しずつ、わたしは彼らに、世界が大きいんだということを知っていってもらいたいなと思っています。
100円の壁は高い?低い?
今回CBBとしては初めて、イベントの参加費を徴収しました。
価格は1人1ドル(約100円)。
CBBからは、昼ご飯、飲み物、お菓子たくさん、行き返りのトゥクトゥクでの送り迎えを提供しました。
このイベントを企画している段階で、現地スタッフのスレイリャとたくさん話し合いを行ってきました。その中で出た費用についての話。
夏に行った授業参観イベントは参加費を徴収せず、60人ほどの子どもや大人がCBBに来てくれました。
もちろん、今回も無料で行いったかったのは本音のところ。
しかしCBBの財政状況や、スレイリャの「カンボジアでパーティーを行うときは、参加者がお金を払うのは当たり前のこと。私は子どもたちからお金を徴収してもいいと思う。というアドバイスから、今回はカンボジアの通常パーティ参加費より安めの、一人1ドルに設定してみました。(カンボジア人はお祭りが大好き。しかし、学校で行われるパーティーやお寺で開かれているお祭りも参加費が必要だと住み込みスタッフも話していました。)
その結果参加者は35人。
わたしが想像していたほどの人数でしたが、同時にこんな声も聞こえてきました。
「私もハロウィンパーティーに参加したい。でもお金がない。」
1ドルという壁。これが彼らの現状なのでしょう。
100円の価値。
日本にいれば特に何も意識せずポンッと払ってしまう額。ノーダメージな額。
日本から飛行機で6時間という距離が、「100円」の価値を大きく変えてしまうようです。
そんな育った環境の違いを再認識した今回のイベント主催。来月からも子どもたちが楽しく学べるイベントの開催を続けられたらと思います。
お知らせ
現在CBBでは住み込みスタッフの子どもたちの里親の募集をしています。
みなさまのご支援を、心よりお願いいたします。