為になる他団体 ご紹介

最先端の技術とデザインで社会問題を解決するSocial Compass様を訪問しました。~カンボジアのIT事情とは~

投稿日:2017年9月25日 更新日:

こんにちは。皆様、いつもお世話になっております。事務局員の常岡です。

本日は9月5日~16日にかけて行われた夏渡航で、Social Compass 様を訪問させて頂いた時のことを紹介します。

<Social Compassとは>

Social Compass様は社会問題をデザイン・アートで解決するクリエイター集団です。

アンコールワットをモチーフにしたワッティーなどのキャラクターを使った教材の開発やプロジェクションマッピングによる環境問題の啓発、アニメーションのワークショップを中心に事業展開されています。

2015年の12月にCBB主催で開催したカンボジアフェスティバルにて、ブース出展・講演をして頂いたことからご縁があり、今回の訪問が実現しました。

<パソコン教室を職につなげるためには。>

CBBスクールで5月より、KDDI財団様の支援により、パソコン教室を開校しました。

村を歩いていても、高校の先生に「パソコンが習いたい」と声をかけられたり、現地スタッフのスレイリャも「プログラミングを勉強したい」と話していたり、ニーズを聞く場面が多々ありました。

しかし、一口にパソコンと言っても身につける技術は多岐に渡り、どんな技術が今のカンボジアで求められているのか知るために、今回IT事業をカンボジアで行っているSocial Compass様に訪問させて頂きました。

(ブース出展時のワッティー。ワッティー体操でも人気があります。)

<カンボジアのIT事情とは。~カンボジア人にIT事業は向いていない?~>

まず、インドやベトナムなど他のアジア諸国がIT分野で成長する中、残念ながらカンボジアが競争に勝っていくのは難しいそうです。

中村さんのお話から、カンボジアでIT産業が発展する難しさをまとめてみました。

①基礎教育の欠如

ITに関する情報は日々どんどん更新されていきます。

そのため、最先端の方法を取り入れていくためには多くの情報に触れる必要があり、その情報を得るためには英語力が必須です。

また、知った情報を組み立てるためには考える力も必要となり、ITを使いこなうためには必然的に基礎教育が備わっていることが条件になってしまいます。

②受け身よりは、積極的な学ぶ姿勢がBetter

(CBBスクールでパソコンを学んでいる生徒。)

日本の子どもの勉強や習い事、そしてCBBスクールの英語・日本語学習でも同じことが言えますが、勉強というものは積極的に学ぼう(学びたい)という意志がなければ成長しません。

特に、ITの世界の情報は技術は日々進化していて、人から習う技術はどんどん古くなってしまいます。

教室で誰かから教えてもらうという受け身の姿勢よりは、自分から楽しんでパソコンをいじりながら勝手に勉強していく姿勢の方が良いのかもしれません。

③結局、先進国の下請けになってしまう現状

そして、技術を高めてIT企業に入ったとしても、先進国の下請けとして働くことになるのが現実です。

カンボジア人の働き方を考えると、その環境で勤め続けられるかが難しいところ。

都市で辛い思いをして働かなくても、田舎に帰ると農業をしながら家族と一緒にゆっくりとした生活ができます。

低いカーストから抜け出すために新しい職業のIT分野に挑むインド人とは必死さで勝てません。

そんなカンボジアでは楽しみながら働くことが大切。

日本人がやりたくない単純作業を頼むのではなく、何かを生み出す喜びがあるとやりがいを持って働いてもらえると思います。

私自身、IT技術が高まると、良い収入が得られると単純にとらえていましたが、中村さんのお話からそれ以前に英語力や考える力、創造力が必要になってくることが分かりました。

CBBスクールでも原点に返って、英語の授業の質を上げるとともに、開校当初から掲げている考える力の育成を進めていかなければならないと再実感しました。

<訪問からCBBスクールに活かせること>

CBBスクールのパソコン教室の今後についてアイデアを頂きました。

○技術を一方的に教えるのではなく、仕事を作ってお給料を発生する仕組みにすると、実践的な学びが得られてよい。

(例えば、近くにレストランを開いて、その客を増やすためにHP作成をしたり、メディア戦略に取り組むなど。)

"パソコンを習う"ことを目的にするのではなく、"なぜ学ぶ必要があるのか""自分にはどの技術を身につけると何が達成できるか"を、生徒が一人ひとり考えた上で機会を提供できる場にできたらいいなと思いました。

Social Compassの皆様、お忙しい中お話を聞かせて下さり、ありがとうございました。

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