こんにちは。CBB現地代表高橋昌祐樹です。
昨年よりCBBは持続性の観点から「ソーシャルビジネス」にシフトチェンジしてきました。
シェアハウスを利用した大学進学支援
自転車を利用した中高進学支援
目的は持続性のためです。CBBは「農村の貧困層の子でも大学に行ける仕組み作り」をめざし、小学生~大学生を一貫して直接支援しています。大学まで行くことによって、貧困層の子でもレベルの高い職に就くことができ、人生を逆転出来る可能性を大きく秘めています。しかし大学に行くためには小中高をどうにか卒業しなければなりません。退学が後をたたない農村部では、学校までの距離が遠く「自転車」が退学阻止に大きな役割を果たしています。
しかし貧困層には高くて買えない自転車。これを解決するために「チャリ100」プロジェクトを実施しました。しかしもし自転車が安ければ貧困層でも購入でき、子どもが退学せずに学校に行けるのでは…?そう思い、現状最低$40以上する自転車を竹で製作。$30で売れたらより多くの子どもが退学せずに将来の道を切り開くことが出来るのではと考えました。このコンセプトがバンブーチャリを「安く作って安く売る」です。
そして先日運よく「ソニーマーケティング学生ボランティアファンド」のソーシャルビジネスコースにて助成をいただくことが出来ました。講評の中でも「メイド・イン・カンボジア 農村発のエコロジーバイク」は興味深いと評価していただき、嬉しい限りです。
一方先日の事前交流会にて「まず1台作らないと何も始まらない。誰も助けてくれない」と厳しいご指摘を受けました。たしかに「出来ない」と思いだいぶ足踏みしていたのは事実で、とりあえず農村に籠ってバンブーチャリを作るまでプノンペンに帰らないと決めました。また元々CBBジャパン代表藤野の案というのもあり、実は彼が助成金から国内での情報収集まで中心で動いています。
一番苦労したのは現地スタッフにバンブーチャリ自体を理解してもらうことでした。何せモノがない。聞いたこともない。そこで写真やYoutubeを使い、また「いかに夢があるか」「これを作れたらいかに世界を変えられるか」を何回も何回も説明しました。現地スタッフはかなり優秀なので彼がやる気になればこっちのものです。かなりの時間を経てついにノープラン、無期限で$500だけ持って農村に飛び込みました。
村から30分離れた国道沿いの市場で部品と自転車2台を購入。
村の人たちとダウンロードしたYoutube動画を見て議論。
買ってきた自転車を解体。フレームだけにします。
この鉄フレームを切断(防具も何も無しで火花飛び散りまくり)
バンブーチャリに使う部品を切り出していきます。
村に生えてるバンブーを取ってきて、強度を上げるために熱します。
その後、フレームにバンブーをぐいぐい。と職人さんの息子をパシャリ。
メジャーで測りながら、ドンドン組み立てていきます。
ついに、未知数だった竹自転車のフレームが出来ました!タイヤ等を元に戻します。
完成品がこちら。接続部分まだまだしょぼいですが。
そして試し乗り。ダメだ壊れる…!!ということでYoutube動画の研究に戻り、応急処置としてネジとゴム、竹2本を追加しました。
そして遂に遂に、大人でも乗れる強度の竹自転車が完成しました!!!この時の感動はなんと言えばいいのか、「試作品ができた達成感」と「これからが本番だという実感」、「日本のモノづくりの偉大さ」を感じました。
1台をどうにか継ぎはぎだらけで作り、かっこよさの欠片もないのですが、やっとスタートラインに立ちました。今後、接続部分を現地工場に発注か自作かをし、竹をしっかり加工し、職人を雇い、工場を作り、「カンボジア農村発バンブーチャリ」をカンボジアの主軸産業の一つに育て上げたいと思います。
まだ分からないことだらけです。それでも1台とりあえず作ってみて、この部品さえ作れたら、ここは発注して、とカラーイメージが見えてきました。モノづくりのハードルは高いです。しかし出来ると思えば何でも出来ます。直近では同じくカンボジアを拠点とする「かものはしプロジェクト」さんのコミュニティファクトリーをイメージしてバンブーチャリ製造工場を作れたらと思います。
しかし工場への発注の仕方が分からない。恐らくオリジナル部品。日本で作ったほうが確実…??もう脳みそあっちゃこっちゃですが、カンボジアの村の人たち、日本の皆さんと一緒に竹自転車、ちゃんと製造できたらと思います。一人でも多くの子が安い自転車を手に入れ、退学せず学校に行ける。カンボジア中の、いや世界中の子どもがCBBの格安バンブーチャリを「クール」な存在として使ってる。そんな世界をみなさんと一緒に作っていきたいと思います。