こんにちは、CBB現地代表の南郷恵珠です。
しばらくブログをお休みしてしまいましたが、お陰様で元気に暮らしております。
実は先日、知り合いの紹介でカンボジアに農業支援をしている方と出会うことができ、更にはその活動視察にも同行させていただくことができたので、今日はその報告をしたいと思います。
その団体は現在、カンボジア国内のいくつもの州で支援を展開しているのですが、今回私はコンポントム州の支援地視察に同行してまいりました。
活動の概要は、カンボジア農村部の中から特に貧困レベルの高い家庭を支援の対象家族として決定し、約2年かけてその家族に農業技術を教えることで、収入の向上に貢献するというもの。
徹底した技術移転型の開発プロジェクトで、野菜の効率的な栽培の仕方や鳥小屋の作り方は教えても、野菜の種や小屋の材料はあげないそうです。この団体ではほかにも、野菜に使うための液体肥料やコンポストの作り方、養鶏のしかた、鶏の病気を予防する自家製ワクチンの作り方及び使い方、今からの田植えの季節にはSRI(幼苗一本植え)という技術など、大きく9項目の活動についての技術指導を行っています。
自家製肥料の出来と使用状況を確認している様子
鶏が健康に育つエサづくりを指導する様子
また、一度にこれらすべてを教え始めるのではなく、各家庭の活動状況を月に2回チェックしに行っている担当スタッフが、その家庭の活動状況を考慮して新たな活動の提案をし、家族が一つ選んだものについて、また教え始めます。
スタッフが新たな活動を3つ提案し、対象家族に一つ選んでもらう。
そうして少しずつ活動を増やしていくことで収入が増え、対象家族の中には活動開始から1年ほどで家を新築したという家庭もありました。
そして今回私がこの活動視察をしていて感動したのは、団体スタッフが対象家庭に教育の重要性を訴えている、ということです。月に2度、スタッフが対象家庭を訪問して活動状況を確認しに行く際のマニュアルに、親へ教育についての指導をする工程が含まれているのです。
内容としては、その家庭の子が学校に通っているかどうか確認し、もし就学児童がいなくても、なぜ子供に教育を受けさせるべきなのか、受けると将来はどう変わっていくのか、受けないとどうなっていくかをわかりやすく説きます。そして、活動を通じて得たお金でお子さんを学校に通わせ、幸せになってもらうために、私たちとともに活動を頑張っていきませんか。という内容を、毎回伝え続けているのだとか。
最後が活動への協力依頼で締めくくられているところが上手いなぁとも感心しましたが、何より「親に教育への価値観を粘り強く教え込んでいる」ということに感動しました。
以前にENJJ教育分科会での発表の中でも述べたことですが、「親の教育への価値観」というものは子供たちの教育環境に大きく影響します。
親が教育の価値を理解していれば貧困家庭でも子を学校に通わせる努力をし、親が教育を不要なものだと思っていれば多少経済的余裕があっても退学の選択をしてしまう、ということです。そのため、この団体がそうした助言を親にしていることが大変嬉しく、更に頑張っていただきたいと思ったのでした。
我々CBBも、支援地域やアプローチは違えど同じカンボジアの教育をサポートしているものとして、頑張ってまいります!
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