こんにちは。CBB法政大学1年の金坂です。
2月19日NPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会の浦田富貴美さんにお話を伺わせていただきました。ASACさんが考える支援のゴールは、すべての子供たちに平等な機会を与えることであり、教育の機会を与えられなかった人に対して最低限度の教育が受けられるよう支援をしています。
質問1
幼稚園を設立し小学校入学以前からクメール語を教育するというプロジェクトについてどう思われますか?
私たちがこの質問をした理由は初等教育プロジェクトを実施した結果、小学校入学時点で既にに学力格差ができているという調査結果が出たからです。生徒の学力の差が生まれる理由の一つに先生たちが学力の高い生徒に合わせて授業を進めている傾向があり、学力の低い生徒のフォローが充分に行えていないという現状があります。また、先生方もやはり生きることに精一杯であることも理由の一つでしょう。極端な例として、先生に生徒たちが自分の名前を書けるようにしてほしいとお願いしても無理であるというような、日本では信じがたい事実もあるそうです。そのため、小学校三年生でも名前が書けない生徒もいるとのことです。
ASACさんにお話を伺い、政府が幼稚園を創ろうとしていますが、先生の雇用や幼稚園建設費などで多大なお金がかかることがわかりました。また、お母さん学級といわれるものが開かれている場所もあるそうです。そこでは、先生の雇用削減のため母親に無償で来ていただいています。幼稚園では、主にクメール語を話す聞くことから始め、読み書きの練習をします。クメール語教育を幼少期から行うためには、質の高い教師が必要なので幼稚園教員養成学校でしっかりとサポートすることが必要となります。
質問2
成績が優秀だったのにもかかわらず、将来工場で働くことしかできない子供についてどう思いますか?
まず一番に考えなければいけないことは子供自身が将来どうしたいかということを聞いて、考えてからその子の価値観を理解することだそうです。私たち支援者のイメージで判断することは勝手な想像でしかないことを改めて実感しました。しかし、農村にいる子供たちは日本にあるような数多くの職業を知らないため、教育を受け学ぶことによって選択肢が広がることも教えてくださいました。やはり、相手のニーズをしっかりとわきまえた行動をし、継続した支援が必要なことを感じました。
質問3
実際に農村で家庭訪問をしたときに、とても貧しくて、制服さえ買えない家庭がありましたが、この際ASACだったらどう支援しましたか?買ってあげるのは正解なのでしょうか?
まず、私たち自身の支援の目的がしっかりしていなければいけないとアドバイスを受けました。
自分たちの支援の目的がしっかりしていたとしたならば、自分たちの団体としての正しい決断ができるとおっしゃっていました。私たちは、私たちの目的のための方法で支援することの大切さを学びました。ただ、一人だけを支援することによって、周りの人には好ましく思われないこともあるため、理由は明確に持つ必要があります。
質問4
学校を設立した際、先生はどこから雇いますか?
先生は派遣してもらえるという条件のもとに学校を建設し、お給料は国から出ているそうです。ASACは学校は建設するが、その後の維持や教育支援全てを行っているわけではなく、地域の住人が創意工夫を凝らしてより良い学校を創っていくことが理想だとおしゃっていました。また、誰でも先生になることができるという現状があることをうががったので、私たちは先生を雇用する制度を整える必要があるのではないかと考えました。
最後に、衛生に関して石鹸で手を洗うことを普及させるためのアドバイスを頂きました。
まずは、なぜ石鹸で手を洗う必要があるかを理解させなければいけないこと、形のあるものをただ渡すだけでは長期的に継続はできないということをご指摘を頂きました。方法としてはモニタリングや現地の先生と連携をとるのが効果的だそうです。また親にも必要性を感じてもらう必要があるため、お母さん学級は衛生の普及、雇用削減双方に利益をもたらすと考えました。
今回の訪問を通じて
私は特に長期間に渡る支援の大切さを実感し、そのためにも現地駐在員の重要性や自分自身の将来の国際協力の関わり方を考えました。また同時に、一年に数回しか渡航することのできない私たち学生が支援するためには、自分自身の目的を明確に持つことと現地の方との信頼を構築することが大切だと感じました。