おぼえた「おやすみなさい」を使って、勉強から逃げる手を使う賢い子達と暮らす時間もあっという間に一週間。
今回は、私が先生だけではなく、寝泊りもさせていただいているCBBスクールに、住み込みで働き、勉強する彼らを紹介します。
この記事の目次
まず、スクールに1年いるリダ。ただいま20歳。11年生。
前任教師のさやさんからもらった漢字は「梨太」。
料理がとても上手で、本当に美味しい。 日本人の口に良く合います。
スクールからは遠く離れた村の坂を上がったところに家がありました。
お金が無い為に一度学校を辞めてしまったリダ。
それでもCBBスクールに来ることになり、復学もできたそうです。
今は毎日学校に通い、夜はいつも友達と電話しています。
その元気、もうちょっと勉強にほしいかな?笑 今は人を褒める言葉を勉強中。
次に、半年ほどいるワンダ。ただいま17歳。11年生。
さやさんからもらった漢字は「湾太」。
日本語がとても上手。スクールでも飛びぬけています。
分からないことがあるとすぐに聞く勉強熱心な男の子です。
家はリダと比べると近いですが、生活はとても大変そうでした。
「わたしのふるさとにきたいですか?でも、わたしのいえはせいかつたいへん。」と言って笑いました。
勉強に対してとても貪欲で、日本へ行きたいといつも言います。
ぜひ叶えてほしいな。できるよ。
今は私に対して言った「デブ」をどうやって良い言葉にするか、私が考え中…
的確だけども…
そして、私が来た時にまだスクールに来て1週間経っていなかったピセット。
漢字は勝手に考えて「陽世斗」。かっこいいから決まり。笑
まだほとんど日本語は話せません。
そのくせ「おやすみなさい」を使って勉強から逃げる手を覚えました。
初めてここに来た日、彼は日本語ではなく英語を勉強したいと言いました。
しかし、その日の夜にひらがなを勉強すると 次の日には自分から「I want to study.」と言って来てくれました。
まずは、ひらがなと挨拶、自己紹介を勉強中。
そして、リダの弟、ワン。17歳。
一昨日、お父さんに連れられてやってきました。新入りです。
本当に日本語を何も知らない状態なので、まだジェスチャーでの意思疎通のみ。
リダを若返らせた感じ、よく似ています。
本当に来て間もないので、まだ彼のことを何も知らないのですが
初日からひらがなをたくさん書いていました。 今ではま行まで書けます。すごいなあ!
最初から飛ばしてやる気を失わないように、のんびり、でも着実に、
毎日楽しく勉強していけたらと思います。
漢字は、そうだなあ、「王」でワンはどうでしょう。
ここに先生のソムナン(染南)も加えて生活する毎日。
人が増えてどんどん賑やかになっていきます。
たった一ヶ月しかこの場所にはいないけれど、 少しでも多く単語も使い方も覚えてほしいです。
今、私にできるのは、お金をあげることでも道を準備することでもなく、
ただ、日本人の日本語を話すことだけなのかな。
あ、強いて言うなら、「おやすみなさい」と逃げる
ピセットの毛布を剥ぎ取ることくらいかな。笑
沼上順香