こんにちは。
法政大学法学部国際政治学科2年杉木雄斗です。
2年目のCBBで1年ぶりにカンボジアに訪れました。
今日は自転車をあげるという支援の裏側にある難しさ。
インタビュー後に行った選定作業のミーティングにの様子についてお伝えします。
あたりは完全に闇夜の午後9時、農村そばにあるCBBスクール。
「あーでもない、こーでもない」とメンバーたちの葛藤に満ちた声が響きます。
農村での自転車支援家庭を決めるインタビューの後、宿泊先のスクールに帰った我々はどの家庭に自転車を本当に提供すべきか議論しました。
希望する人全員に自転車をあげることは現実問題として難しいのです。
(▲カンボジアの子どもたち全員をCBBが救えるわけじゃない。メンバー全員が感じた現実と理想。自転車をあげる選定では身に染みるほど感じました。)
学校には行きたいが徒歩で1時間近く通学時間がかかり仕事の手伝いも忙しい子、
親が文字を読めず日頃からゴミ拾いで生計を立てている子、
親戚が都市部で働いている比較的裕福な成績優秀で大学進学を希望する子…
「農村の子ども」と一言で言っても、様々な背景のもとひとりひとり全く違う環境に置かれています。
農村内にも格差があるのだということに改めて気づかされる瞬間です。その中から本当に支援すべき人は誰かを決めなければいけません。
家庭は2000ドルの借金を抱え、笑顔も少ない15歳の小学6年生の男子生徒。
普段の食事におかずは無く、先生になりたいとはいうものの仕事の手伝いで欠席が多く、成績も28人中23位とドロップアウト寸前です。
通学時間は徒歩20分と決して遠いわけではありません。
『果たしてこの子に自転車支援をすべきなのか。』
CBBの自転車支援の本来の目的は「進学支援」です。
学校に行きたいけれど通学時間が長く家庭の仕事との両立ができないことでドロップアウトしてしまう子どもを一人でも減らすことです。
そのことを考えれば、あまりにも貧しい15歳の小学6年生は、「進学の可能性なし」と判断して切り捨てるべきなのかもしれません。
彼らは我々のような、一NGOが救うには既に手遅れであると。
しかし、だからといって救いの手を差し伸べなくていいのか、「進学支援」という目的に囚われて本当に支援を必要としている人たちを見殺しにしているのではないか…。
通学手段として自転車を使わなくても、農作業や仕事に使うことで作業が能率化して家計を少しでも楽にすることができるかもしれません。
それによって生まれる経済的、時間的余裕から勉強しようという気持ちが生まれるかもしれない。
(▲それでもあげてよかった。自転車をあげた子どもたちにどんな変化があるのか。責任を持ち、見守っていきたいと思います。)
メンバー内でも様々な意見があります。
どれが正しくてどれが間違っているということは無いでしょう。
しかし私たちの決断でその子の人生が大きく変わるかもしれません。
人を選ぶという責任感と何が正しいのかという大きな葛藤のもと、私たちCBBは今日もカンボジアで支援を続けています。
○「CBBスクールを作りたい!」
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